2011年4月21日木曜日

安全宣言のカラクリ

福島第1の事故発生後、政府や東電がきっちり発表してくれないので、どうしても疑心暗鬼にならざるを得ない状況です。そして、情報を出さないから、自衛しようとすると、なんでも一律「風評被害」と言って、消費者の行動を批判する勢力には、ほとほとウンザリします。無責任な「安全宣言」のほうがよっぽど罪深いと思うんですが…。

4月18日の『週刊現代』の記事「この被曝があと1年続いても安全と言えるのか」は、

「原子力安全・保安院は一貫して『海は広く、放射性物質が拡散するから問題ない』と言っていますが、投棄した汚染水にしても、正確な汚染濃度や、どんな放射性物質が含まれているかを公表していません。それで安全だと言われても判断のしようがない」(日本大学専任講師・野口邦和氏)

 放射性物質には、よく知られるようになったヨウ素やセシウムの他にも様々な種類(核種)がある。核種によって、体内に取り込んだ場合、どこに溜まりやすいかも異なる。たとえば、ストロンチウム90は骨に、セシウムは筋肉に溜まりやすい。より大きな魚に汚染が拡大したとき、骨を食べなければよいのか、それとも身を食べるのもダメなのかを判断するには、どんな核種が漏れたかも重要になる。

と指摘しており、きめこまかな情報提供の重要性が示唆されています。ストロンチウムは、12日に飯舘村や浪江町の土壌から検出されたとの発表がありましたから、海にも当然流れ出ているでしょう。

中部大学教授の武田邦彦さんによると、「海底に沈むセシウム、ストロンチウム、プルトニウムは魚ばかりではなく、貝、海藻にも取り込まれる」そうなので、福島沖から茨城沖、千葉沖については、もはやコウナゴだけでなく、海産物全般が危険と思われます。(武田さんの「原発 緊急情報 (53)海と魚」の全文はこちら

また、前出の週刊現代の記事は、東京都の水や空気の検査についても、問題点を明らかにしています。

「都は東京都立産業技術研究センターに都内3ヵ所の浄水場の水質調査を依頼しています。その際、水については1㎏あたり20ベクレル以下の場合には、放射性物質が検出されても『不検出』として報告するよう指示が出されました。理由は都民に動揺を与えないため、というものです」

   本誌が東京都立産業技術研究センターに確認したところ、検出する機械が1台しかなく、長時間の検査ができないので微量の場合は誤差も考えて「不検出」としていると回答。なお、空気の汚染についても都は、1m3あたり0・1ベクレル以下は「ND(ノーデータ=不検出)」として公表していない。

いまや南半球でも福島の放射性物質が検出されていると言われています。そんな中、東京都の水や空気に放射性物質が含まれていない訳がないんですよね。「不検出」とされている量がどの程度人体に影響があるものなのか、よく分かりませんが、政府の「安全」という言葉は鵜呑みにせず、自分なりに対策を考えていく必要があると思います。

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