経済産業省原子力安全・保安院が12日に、東京電力福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度で、最悪の「レベル7」に引き上げましたが、このことについては、色々な憶測が飛び交っています。選挙結果への影響を恐れて発表を遅らせたとか、日本産の農産物や加工食品などに対する輸入規制を回避しようとしたとか。そして、レベル7と発表しながらも「チェルノブイリよりは小さな事故」であることを強調しています。
しかし、もう終わっているチェルノブイリの事故と、現在進行形の福島第一を比べて「あれほどひどくはない(今のところは)」と言われても、あまり安心できません。収束の見通しは立っておらず、この先どうなるのか、まったく分からない訳ですから。
それで、今どうなっているのかなあ、と気を揉んでいたところ、ビデオニュース・ドットコムが最新の動画を公開してくれました。評価尺度が「レベル7」に引き上げられた件、いくつかの状況証拠から見た現在の原発内の状態、土壌から検出されたストロンチウム等について、また京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが電話で解説されています(小出さんについては、3月28日の記事「反原発という視点」、4月5日の記事「報道や言論に自由がない国」、4月11日の記事「福島原発の不穏な動き」をご参照ください)。
スタジオ出演者(敬称略)
神保 哲生(ジャーナリスト)
平川 秀幸(大阪大学准教授)
東京電力が細かいデータを公開していないため、専門家でも分析しようのない部分があるようで、その点が非常に残念です。東電は「痛くもない腹を探られたくない」というか「痛い腹を探られたくない」ために、データを公開しないのでしょうか。それとも現場がバタバタしていて、データの収集もおぼつかないという状態なのでしょうか。どちらにしても、あまり良い徴候ではない気がします。
一国民として「がんばれニッポン」的な気持ちも勿論あるんですが、従来の原子力政策で頑張られるのは困るのです。今回の事故をなんとか小さく見せようとしている背景に、原発を今後も維持しようとか、あわよくば増設しようとか、そういう思惑が透けて見えるので、その辺が怖いです。大事故であることを認めて、さっさと方向転換しなくてはいけない時だと思うんですが…。
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