2011年4月12日火曜日

福島第一の廃炉費用

昨日、今日とまた地震がありましたね。最近地震があると、原発のことが心配でなりません。昨日も一時、「福島第一で外部電源が停止した(冷却機能が失われた)」なんて報道され、青くなりました。ほんと、心臓に悪いです。

昨日の記事(「福島原発の不穏な動き」)で紹介した動画(「小出裕章氏:福島原発で再臨界の疑いが濃厚に」)の中で、ニューヨーク・タイムズの4月7日の記事に日米の企業が福島第一の廃炉計画で手を組んだという話が出ていたので、私もその記事を読んでみました。

東芝と米国企業3社が合同チームを結成して、4月4日に廃炉計画を東電に提案したとのことです。しかし、一発電所内で損傷した原子炉4基を閉鎖するということは、今までだれもやったことがなく、ましてや、大地震で揺さぶられ、津波で水をかぶった原子炉となると、前人未踏かつ前代未聞の領域のようです。燃料の処理、原子炉の撤去、建物の解体、近隣の土地や水の浄化など、問題は山積しており、費用は最終的に数十億ドル(数千億円)になる可能性があるとか…。

今のところ、原子炉を冷やすこと、放出される放射線量を抑えることが緊急課題であるため、東電は上記チームから提出された提案書について、いつ返事をするか明言は避けているようです。

この提案が受け入れられるのか分かりませんが、福島第一の後始末にとんでもなく巨額の費用がかかることだけは間違いなさそうです。だいたい上記の数千億円には、住民への補償などは含まれていないみたいなので、最終的にいくら必要になるのか、とても想像できません。いったい誰が払うのでしょうか。東電にそんなお金があるのでしょうか。

東電が払うとしたら、今後のわたしたちの電気代に直接はねかえってきそうですし、払えない場合は政府が税金で肩代わりすることになるんでしょうねえ。原子力損害賠償法に「大規模な天災や内乱による事故の場合には国が補償する」と規定されているそうですから。昨日、経団連会長が牽制するような発言をしていましたが、政府内の一部には、東電国有化論も浮上しているようです。

いずれにしろ、原発はとんでもなくコストがかかる代物だってことです。そして、人間の健康や生命も絡んでくるのですから、単純にお金では計算できません。

地震が頻発する中、まだ原子力発電に固執している人たちが大勢いるようで、この国の未来がとても不安です。


コメント

Norahさん、初めまして。brownといいます。
時々のぞかせていただいています。

昨日のブログで書かれていたように
選挙の結果を見る限りほとんどの国民は
原発について現状維持でいいと思っているのでしょうか・・?

私は本当に甘い考えかも知れませんが
生活が多少不便になってもいいから一刻も早く
全国のあの恐ろしい原発を安全に廃炉して欲しいです。

震災が起こる前、お掃除ロボットが欲しいなぁ、なんて
のんきに考えていた事もありました。
企業は次々に便利な商品を売り出し
私たちはいつの間にかそれを使う事が
当たり前になってしまったのですね。

そんな物がなければ余計なエネルギーも必要ないのに・・。

Norahさんのブログは丁寧で分かりやすいです。
またおじゃまさせていただきますね!

投稿: brown | 2011年4月12日 (火) 12時40分

brown さん、コメントありがとうございます!
共感していただけて嬉しいです。

私も相当甘い考えの持ち主かもしれませんが、原発はすべて止めて、廃炉にしてほしいです。なんてったって、命あっての物種ですから…。

おっしゃるとおり、みんなが「多少不便になってもいい」って思えれば、この国も変われるのでしょうが、原発に反対すると必ず、「不便になってもいいのかっ!」と脅してくる方がいるんですよね。代替エネルギーで十分やっていけるという話もあるんですが、たとえやっていけなくても、危険な方法にこだわるのは馬鹿げていると思います。安全な発電方法で電気がまかなえないなら、みんなで節電すればいいんです。

ま、原発の問題はとっても複雑なので、私がこんなところで吠えていても、無力感ばかり募るのですが、こうしてbrown さんのような方からコメントをいただけて、とにかく記事を書いてよかったと思いました。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: Norah | 2011年4月12日 (火) 20時39分

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