ここのところ洗心だとか、理想郷だとか、精神世界について書いてきましたが、残念ながら、私の頭の中は24時間お花畑状態になっているわけではありません(笑)。今回の災害、特に福島の原発問題については、非常に憂慮しています。NHKとか民放の番組を見ていると、パニックを起こさせまい、なんとか安心させようという意図がひしひしと感じられ、とてもストレスが溜まります。
とにかくこれだけ大騒ぎになっているのだから、みんな原子力発電にいいかげん愛想が尽きただろうと思っていたのですが、驚いたことに、まだ過半数以上の人が「原発は必要だ」と思っているようなのです。被災地福島の人にNHKが今月22~24日にかけてアンケートを行ったところ(対象は100人程度のようですが)、賛成と反対で結果が二分したというのです。「二分? 反対が圧倒的多数じゃなく?」と耳を疑いました。あれだけ身近に甚大な被害を被っているのに、50%以上がまだ必要だと思っているところに問題の根深さがあると思います。
そして、東京新聞の3月19日の朝刊によると、都民に世論調査を行ったところ、60%近くが「原発の運転を続けていくべき」と考えているとのことで、これまた腰が抜けるほどびっくりしました。多くの人が恐ろしい被曝環境で作業を続けていると連日報道されているのに、そんなひどい状況をまだ続けさせようというのでしょうか。あの福島の一件が運良く終息すれば、そうした事故はもう二度と起きないと無邪気に信じているのでしょうか。
現在の生活を維持したい、不安になるような情報は聞きたくないという気持ちも分からなくありませんが、福島の原発事故はこれまでの私たちの選択が間違っていたことをはっきりと示しています。それなのに、政府やマスメディアはそれをなんとか覆い隠そう、事態をできるだけ穏便に済ませようとして、問題の焦点に私たちの目が向かないようにしているとしか思えません。
次の動画では、反原発の立場をとるジャーナリストや専門家が、地上波のテレビや大手の新聞などでは扱わないような最悪の事態とその対処法について論じており、まったくもって耳障りな内容である上、Part 1が1時間以上、Part 2 が3時間近くあり、相当な時間と忍耐を要します。しかし、政府の広報機関となりさがっている一般メディアの報道で満足できない人には興味深い内容だと思いますので、ここで紹介させていただきたいと思います。
Part 1(敬称略)
スタジオ出演者:
青木理(ジャーナリスト)
宮台真司(社会学者)
飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
電話出演者:
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
Part 2(敬称略)
スタジオ出演者:
青木理(ジャーナリスト)
神保哲生(ジャーナリスト)
宮台真司(社会学者)
飯田哲也(NPO法人環境エネルギー政策研究所所長)
電話出演者:
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
矢ケ崎克馬(琉球大学名誉教授、放射線が人体に与える影響がご専門)
松井英介(元岐阜大学医学部助教授、放射線医学、呼吸器の病気がご専門)
この先、この国がどうなるのか未知数ですが、現状を憂いて、原発を阻止しようと尽力されている方々が何人もいらっしゃることを知り、まだ多少希望があるように思えました。
また、上記の動画に電話出演されていた小出裕章さんのお話を聞いて、非常に真摯で誠実な姿勢に好感をもち、小出さんに興味が湧いて調べてみました。「助教」という肩書きだったので、まだお若い方かと思ったら、1949年のお生まれということなので還暦を超えていらっしゃいます。40年前、まだ日本に原発が3基しかなかった頃に早くも原発の危険性に気がつき、以来ずっと原発に反対してこられたそうです。反原発であったがために、世間一般でいうところの「出世」をあきらめざるを得なかったのだろうと想像します。小出さんが「私の40年は敗北の歴史です」とおっしゃっていますが、原発推進派は数と金にものを言わせて、この40年間で原発を54基にまで増やしてしまいました。
次の動画は2011年3月20日に行われた小出さんの講演の模様を収めたものです。2時間近くあり、ところどころ音声の聞き取りにくいところもあるのですが、この動画を見ると、絶対に原発反対という気持ちになると思いますし、ひとりでも多くの人にそういう気持ちになってほしいです。ぜひご覧ください。
国民の大多数が「原発はいらない」と言えば、存在しなくなるはずです。原発が稼働しなくても、火力や水力、さらには太陽光、風力、蓄電池、地熱など、さまざまな発電方法を駆使すれば、十分に電力は供給できるとのことです。原発がなくてもやっていけるのです。たとえ、夏のピーク時であっても。そんな中、自分の利益、保身のため、他人に犠牲を強いても、原発を維持しようという人々がこの危険な発電方法にしがみつこうとしています。
私たちは厳しい目で監視していかなければいけないと思います。日本中に50基以上ある原発を今すぐすべて止め、閉鎖、管理する方向にもっていったとしても、放射能汚染の問題は半永久的に続きます。それなのに、地震大国でこのまま運転を続けたら、増設や新規立地を続けたら、いったいどうなるのでしょうか。
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