2011年5月9日月曜日

肥田舜太郎さん(広島の医師)と大塚愛さん(福島の大工)

今日は「原発なしで暮らしたい100万人アクション in ヒロシマ」の動画(2011年4月24日収録)をご紹介します。広島で被爆者の治療に当たってきた医師の肥田舜太郎さん、福島の川内村で自給自足の生活をしながら大工をやっていた大塚愛さんが、原発問題についてお話されています。

※動画は非公開となっています(2025年4月3日現在)

肥田舜太郎(ひだ しゅんたろう)さんプロフィール
1917年広島生まれ。
1944年陸軍軍医学校を卒業、軍医少尉として広島陸軍病院に赴任。
1945年広島にて被爆。被爆者救援にあたる。全日本民医連理事、埼玉民医連会長などを歴任。現在、全日本民医連顧問、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長。
著書に『ヒロシマを生きのびて』(あけび書房)、
『内部被曝の脅威』(共著、ちくま新書)など。
肥田さんの被爆者についてのインタビューのテキストはこちら

大塚愛さんプロフィール
福島県川内村で自給自足の生活をしながら大工として働く。
福島第1原発事故のため岡山市中区の実家で暮らす。
「ハイロアクション福島原発40年」のメンバー。二児の母。

アメリカが、広島・長崎の原爆による被害の内容について、「米軍の軍事機密であるから、一切書いたり話したり絵や写真に記録したりしてはいけない。違反した者は厳罰に処す」という方針を発表していたとは、知りませんでした。勝てば官軍というか、戦勝国というのは、やりたい放題、好き勝手ができるんですね…(呆)。

そして、既に東北の人々の間で下痢が始まっているという話も初めて聞きました。被ばくの初期症状のひとつとして、下痢を発症するなんて、みなさん知っていたでしょうか。普通知らないですよね。被災のストレスかもしれない、と勘違いされている方もおられるかもしれません。政府やメディアが、しっかり情報を提供してくれていたら対策も打てるのでしょうけど、「心配しすぎると、かえって体に悪いですよ」なんて言って、いまだに「安心・安全」をアピールしている状態ですから、正しい情報はなかなか伝わらないでしょう。

大塚愛さんのことは、以前テレビの自給自足の特集番組を見て知っていました。女性の大工さんで自給自足をしているなんて、すごいなあと思って、記憶に残っていたんです。ソーラーパネルを設置して自家発電していたのに、原発事故で避難せざるを得なくなるとは…。移住先で生活を築きあげていたのに、無念だったと思います。

事故以前から、地元では、原発関係の仕事をされている方が病気で亡くなるという事態が起きていたが、原発のことを批判できない空気があって、みんな黙って耐えてしまった…。やはり、事故が起きると危ないのはもちろんですが、原発の存在そのものが危険なんですよね。緊急時だけでなく、平時でも被ばく労働をさせられる人々がいるわけですから。

原発がなくなると仕事がなくなると言って反対している方々がおられますが、事故が起きたら、仕事だけでなく、生活基盤さえなくなってしまうわけです。その辺をよく考えてほしいのですが、国やメディア、学校教育で「原発は安全」と信じ込まされてきた弊害でしょうか。多くの人が、まっとうな判断力を失ってしまいました。

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【被ばくと下痢について】

原水協のサイトに以下のQ&Aがありました。

Q: マスコミの報道などでは、身体を洗って表面に付着した放射性物質を洗い流せば良いと言わんばかりの説明です。なかには花粉症と同様の措置でいいとまで言っているものもあります。内部被ばくを考えていません。どのように考えればよいでしょうか。

A: おっしゃる通り内部被ばくの軽視の発表と報道に憂慮しています。身体の表面に付着しておれば呼吸をしていますから当然内部被ばくをしています。激しい運動をすればそれだけ沢山取込みますから、湿ったマスクをするなどの工夫をして早く風上に立ち去ることが必要です。

 飲食を通じて下痢が起こることが考えられます。広島原爆の場合はその日の夕刻から下痢が始まりました。

 しかし、放射線防護の専門家の大部分は、放射線による下痢は大量被ばくでなければ起こらないと外部被ばくによる発想から抜け出していません。JCO事故に関わった放射線防護の鈴木元氏や明石氏は原爆症認定裁判や長崎の訴訟でその主張を続けています。

 現在症状が現れていなくても内部被ばくの場合は遅れて発症するので長期間観察する必要があります。いまは症状がないとそれで終わりという姿勢は危険だと思います。

 放射線の影響は急性症状の場合も個人差がきわめて大きく、広島の原爆被爆者を調べた結果、外部被ばくの場合には下痢発症率は期待値(半発症線量)が約4000㍉シーベルト以上、標準偏差約900㍉シーベルト以上の正規分布によって表されますが、内部被ばくによる下痢の発症率は期待値(半発症線量)が約2000㍉シーベルト、標準偏差約600ミリシーベルトの正規分布をしていますので、低線量でも発症しますので、内部被ばくの最初の兆候を見ることになります。脱毛や紫斑はかなり遅れて発症するので検出は難しいと思います。

                                                   ◇ ◇ ◇

最近、食中毒が流行っているので、下痢を発症すると、そちらを心配される方も多いかもしれません。でも、被ばくでも下痢するそうですから、そのことも頭の片隅においておいたほうがよいと思われます。

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