2011年5月2日月曜日

1号機と3号機の爆発の違い

福島第1の爆発シーンは規制の対象になっているのか、日本のテレビでは見かけなくなりました。おかげで、私の記憶から徐々に消えかかっていたのですが、数日前、興味深い動画を2つ発見してしまいました。

ひとつは、先日の記事(「高温にさらされた燃料棒はどうなるのか」)でもご登場いただきましたが、アメリカのエネルギー・コンサルティング会社フェアウィンズ・アソシエイツのチーフ・エンジニア、アーニー・ガンダーセンさんの動画です。

 

 Gundersen Postulates Unit 3 Explosion May Have Been Prompt Criticality in Fuel Pool from Fairewinds Associates on Vimeo.

※ この動画の日本語訳および日本語字幕付きの動画はこちらでご覧になれます(日本語字幕は大変有り難いのですが、字幕で映像が隠れてしまい、ちょっと見づらいところがあるため、今日の記事ではあえて字幕なしの動画をメインで紹介しました)。

[5/4追記] こちらの動画では日本語字幕が改善され、見やすくなっています。インターネットの相互扶助精神はすばらしいですね!

1号機と3号機の爆発シーンを比較した映像というのは、見たことがなかったので、あらためてその対比を見てみると、爆発のエネルギーの方向(横方向 vs 上方向)、噴煙の色(白 vs 黒)、閃光の有無など、違いは歴然ですね。日本はどうしてこういうものを見せてくれないのでしょうか。チェルノブイリより小さな事故であると主張するためには、こういうドラマチックなシーンは刺激が強すぎると判断したのでしょうかねえ…。

日本では1号機も3号機も「水素爆発」ってことになっていますが、ガンダーセンさんは3号機のほうは水素爆発ではなく、使用済み燃料プールでの即発臨界による核反応と考えているようです。

また、次の動画でも、3号機の爆発が臨界を伴ったものではないかという英国のクリストファー・バズビー教授の仮説をもとに、1号機と3号機の爆発シーンを対比させています。

ガンダーセンさんもバズビー教授もキセノン同位体の分析をしないと、仮説を証明できないというようなことを言っているのですが、日本ではこういう情報はとうぶん公表されそうもないので、今後とも海外からの情報に期待せざるをえないでしょう。国内のことなのに、外国に頼るというのは、なんとも情けない話ですが…。

3号機は危険なMOX燃料を使っているので、この派手な爆発シーンを見ると、不安が募ることは確かです。水素爆発じゃなくて、核爆発だったのかもしれない、なんて考えると、思わず身震いしてしまいます。

東京電力は3号機について、 

「3月14 日午前11 時1分頃、1号機同様大きな音とともに白煙が発生したことから、水素爆発を起こした可能性が考えられます」

と説明していますが、今回の動画を見る限り、「白煙」ではなく、「黒煙」ですよね。これまでの経緯から、これは事実誤認というより、世論を一定の方向に誘導しようという、隠蔽工作の一環なのではないかと疑いたくなります。どうあっても水素爆発だと主張するのなら、国内外にその証拠を示して、核爆発を疑う方々が納得できるよう、きっちり説明してほしいです。

【5/5追記】 5/4(水)のたねまきジャーナルで小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)が本件について解説されました。ご興味がある方はこちらへ。

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