2012年3月29日木曜日

プラスするもの、マイナスするもの

ナチュラル・ハイジーンというと、生の果物と野菜を食べるということで、今までの食生活に果物と野菜をプラスすると考えることもできますが、それと同時に、今までの食生活から好ましくないものをマイナスすることも重要ではないかと思います。

人間の体液および細胞の大部分は、中性からややアルカリ性の環境にしておくことが健康のために必要と言われています。体は日常の活動やストレスで酸性に傾きがちなので、アルカリ化させる生の果物と野菜が有効なのですが、体を酸性にする活動や習慣が多くなると、果物と野菜でそれを帳消しにすることができなくなるそうです。

"The 80/10/10 Diet"(Dr. Doug Graham 著)では、体を酸性に傾ける活動や習慣として、次のものをあげています。

●加熱料理、加熱された脂肪、動物性食品、穀類(加熱または生)の摂取

●「ごく少量」の範囲を超えた木の実や種子の摂取

●食べ物(加熱または生)の不適切な組み合わせでの摂取

●喫煙または薬物/刺激剤の服用

●アルコール、炭酸飲料、コーヒー、茶類の摂取

●運動、休息および睡眠の不足

●ストレス、怒り、不安その他のネガティブな感情の持続

世間では、現状を変えることはストレスになるからと言って、習慣を変える努力をせず、単純に何かをプラスするという安易な解決策が人気のようですが、そうしたものは最終的に良い結果をもたらすとは思えません。 

たとえば、カルシウム不足が心配な場合、カルシウムを補給するという目的で乳製品やサプリメントを取るという話をよく聞きます。でも、乳製品は過去記事(「牛乳神話から抜け出すチャンス」)にも書いたとおり、非常に有害であり、そのようなものを摂取するということは墓穴を掘っているように思えてなりません。また、サプリメントは、これまで分かっている浅薄な人間の知識で作られたものであり、まだ人間が発見していない栄養素とのバランスなどまったく配慮されていません。特定の栄養素が過剰になることで、体内のバランスが崩れ、健康を害することも考えられます。サプリメントの摂取により、ある症状が軽減されたとしても、なにか別の問題が作り出されている可能性もあるのです。

カルシウム不足が心配なら、まずはカルシウムを体から奪うような習慣を排除するほうが先ではないでしょうか。

"Grain Damage" (Dr. Doug Graham 著)には、次のように書かれています。

未精製の穀物に含まれる、フィチン酸と呼ばれる物質は、カルシウムと結合し、その吸収を阻害する傾向があることがよく知られている。また、穀類はリンなどの酸形成ミネラルを相当量含んでいる。消化の過程において、体は、穀類の酸性を中和するため、強力なアルカリミネラルである骨からカルシウムを取り出さなければならない。穀類を大量に摂取する人はカルシウムが少なくなることが予想され、骨粗鬆症と呼ばれる、骨がもろくなる状態になることが多い。

穀類を大量に食べながら、怪しげなサプリメントで補給するより、穀類の摂取を控えたほうが安全なように思われます。

ここでは例として、カルシウムを挙げましたけど、わたしたちに必要なものはカルシウムだけではなく、その他諸々の既知+未知の栄養素があります。それらを個人がいちいち全部チェックできるわけもなく、そんなものにとらわれていると、インフォマーシャルの餌食にされ、サプリメントや医薬品を売りつけられることになります。

上に挙げた体を酸性に傾ける要因をつぶしていくとともに、生の果物と野菜を増やすというアプローチほうが地味ながら確実に思えます。


コメント

Norahさん、

今回の記事もたいへん共感しながら読ませて頂きましたが、サプリメントについては、「あいたた・・・」です。つい不安になって買ってしまったものがまだキッチンにゴロゴロしています。

私もいろいろマイナスしてきましたが、穀類だけはマイナスする事はあり得ない、と思っていたんですよね、最近までは。しかし、私には穀類のマイナスが必要!と痛切に思い始めています。付き合いもありましし、完全除去までは考えていないですが、どの程度のペースするにするか思案中です。

Norahさんの1週間のお食事メニューなど、とても興味しんしんです。もし気が向きましたら、是非掲載して下さいね。楽しみにしています。

P.S. 待望の本が届きました!この週末から読み始めまーす。PC起動して「英辞郎」で訳語探しながら、になりそうですが(笑)。

投稿: パーシモン | 2012年3月30日 (金) 23時45分

★ パーシモンさん

いつもコメントありがとうございます!

私もついこの間までニュートリショナル・イーストとかEMを取っていたので、サプリに走る人の気持ちもよく分かりますが、いろいろと試行錯誤した結果、やめたほうがいいよなあと思い始めました。

ここのところ穀類を非難する記事を連発していて、みんなからそっぽを向かれるのではないかとヒヤヒヤしていましたが(笑)、共感、同意のご意見もあり、ちょっとほっとしています。完全除去は確かに難しいし、私も実行できそうもないけど、穀類を食べるのは付き合い程度にとどめたいなと思っています。

私の1週間の食事メニューですか? パーシモンさんはお料理が得意でマメな方だから、ものぐさな人間の食生活を想像しがたいかと思いますが、まったくひねりのない、単純なメニューなんですよ。季節の果物と野菜を切って並べているだけ。何日も同じものが続いたりしていて、とても掲載できるようなものじゃないっす…(汗)。

おお、とうとう本が届きましたか。良かったですね~。私も「英辞郎」には大変お世話になっています。便利な時代になりましたよね、PCで辞書が引けるというのは。昔はいちいち紙の辞書をめくっていましたから…(遠い目)。

投稿: Norah | 2012年3月31日 (土) 10時08分

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