"Grain Damage" (Doug Graham 著)には、穀類の問題がいろいろと書かれていますが、今日はその中からグルテンの問題を取り上げてみたいと思います。
グルテン(多くの穀物製品に含まれるタンパク質)は、複数の精神病、神経障害の原因要素として名指しされている。グルテンには化学的に15種類のオピオイド配列(モルヒネ様分子)が含まれていることが証明されている。体外から入ってくるオピオイドは「エクソルフィン」と呼ばれる。エクソルフィンは、科学者たちが依存性、神経毒性があると分類しているものである。エクソルフィンは精神活性作用があり、依存的な食習慣など、関連行動障害を引き起こす。1960年代半ばから、科学者たちはグルテンの摂取と学習障害や統合失調症とを繰り返し関連づけてきた。
オピオイドを摂取すると、次のような肉体的影響があるとのことです。
- 吐き気
- 鎮静作用
- 体幹の硬直
- 強い高揚感
- 神経不安
- 縮瞳(瞳孔の収縮)
また、オピオイドは、神経伝達物質の化学的性質に干渉するため、以下を引き起こすようです。
- てんかん
- 便秘
- 尿閉
- 胆管痙攣
- 抗利尿ホルモン(ADH)(尿の生成減少をもたらすホルモン)の生成減少
- 胃内容排出の遅延
- 消化の遅延
グルテン、オピオイドなどで検索をかけると、日本語情報もいくつかヒットしたので、日本でも結構認知されているようです。また、統合失調症や自閉症への対策として、グルテンやカゼイン(牛乳やチーズなどにふくまれるリンタンパクの一種)を除去している人たちもいることが分かりました。
ローヴィーガンとしては、グルテンやカゼインだけではなく、穀類や動物性食品などは一切合切すっぱりあきらめて生の果物と野菜にシフトしたほうが良い結果が出そうな気がします。次のビクトリア・エベレットさんは、統合失調症の問題を生の果物と野菜を食べることで改善し、1年半で120ポンド(約55kg)の減量に成功したと言っています(詳細はこちら(英語))。
YouTube: Over 120 Pound Weight Loss, 80/10/10 Interview with Victoria Everett
病気の原因は複合的であることが多いので、グルテンだけを悪者にするのはどうかとも思いますが、小麦加工食品の場合、グルテン以外にもいろいろと問題をはらんでいるように思います。小麦単体で出てくることはまずなく、パン、ケーキ、ピザ、ラーメンなど、動物性食品や油脂、調味料、香辛料、甘味料と合体していることが多いからです。でんぷんや調味料などへの依存で過食しがちなところに、危険な脂肪分が多い。要注意です。
ローヴィーガンの観点に立つと、穀類全般に問題があると思うのですが、その中でも、グルテンは、摂取するメリットよりデメリットのほうが特に大きいと思われます。ローヴィーガン食はハードルが高すぎるという場合でも、グルテンが含まれるものはできるだけ控えたほうが良いでしょう。そして、どうしても控えられない、頻繁に大量に食べてしまうという場合は、依存状態になっている可能性が高いので、先日の記事(「穀類中毒」)にも書きましたが、完全に断ってしまうほうが良いかもしれません。
※ 関連記事: パン・小麦粉食品を断つ(2017.3.31)
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