2011年7月9日土曜日

カンジダ

今から10年以上前のことですが、カンジダ膣炎で苦しんだことがあります。ある夜、陰部が猛烈に痒くなり、そのうち、痒いを通り越して、火がついたような痛みが走り、もう気が狂いそうなほど辛かったです。当時は、まだ医療や薬を頼りにしていたので、翌日、婦人科に駆け込み、膣洗浄を受け、座薬と塗り薬ももらって症状は収まりました。ところが、1年後に再発。この先、何度も再発するのだろうかと不安になりました。(幸い、その後再発することはありませんでしたが…。)

カンジダについて、当時、私はまったく何も知りませんでした。性感染症と勘違いしたくらいです。ウィキペディアによると、

カンジダは不完全菌に属する酵母の代表的なものであり、もともと性器周辺やその他の体表に存在している菌、いわゆる常在菌で、健康な人体は免疫により過度の増殖を防いでいるが、体調の悪化などで免疫力が落ちると繁殖して日和見感染を起こすことがある。

とあります。

発症当時の日記を読み返すと、仕事やプライベートの問題で、不規則な生活を送っていたことがうかがえます。食生活も菜食を始める前で、かなりいい加減なものを食べていました。だから、その後、食生活や生活全般について気を配るようになったので、もうカンジダが再発することはないだろうと思い、すっかり忘れていました。

そういう状況で忘却の彼方にあったカンジダを思い出したのは、今年に入って"The 80/10/10 Diet"(Dr. Doug Graham 著) を読んだときでした。「果物とカンジダ」という項目がわざわざ設けられていたんです。

この本によると、

  • カンジダは一種の酵母であり、人間の血液内に自然に発生する有機体である。
  • カンジダの餌となるのは糖である。
  • 血液内のカンジダ・コロニーの個体数を左右するのは、餌である糖の供給量である。
  • 血糖値が常に正常値であれば、血液内に存在するカンジダ・コロニーの個体数も正常値である。
  • 摂取した糖が血液で分配され、人体の細胞により利用されれば、余分なカンジダはすぐに死んでしまう。
  • 血糖値が上昇すると、カンジダが急激に増殖する。
  • 血糖値が上昇した状態というのは、人体にとって危険な状態である。
  • カンジダは余分な糖を食べ、血糖値を正常に戻す。
  • カンジダは膵臓や副腎が血糖値を正常に戻せなかった場合のバックアップ・システムの役割を果たしている。

とのことです。要するに、カンジダが増殖してなんらかの症状が出ているというのは、「血液内に余分な糖がありますよ」というお知らせな訳です。

こう書くと、カンジダに悩んでいる人は、果物のような糖分の多いものを食べてはいけないのではないか、と思われるかもしれません。でも、80/10/10 は果物の摂取を控えても、根本原因の解決にはならないと言っています。

細胞は糖をエネルギー源(燃料)としているので、わたしたちは食物から糖を摂って、細胞に送り渡さなければなりません。

食物から摂取した糖は、消化管に入り、腸壁を通過して血流に入ります。そして、血流から細胞に渡されます。これは健康な人であれば、円滑にごく短時間(数分ぐらい)で行われるそうです。

ところが、高脂肪の食事をしていると、血流内に脂肪がたくさんあり、糖を血流から細胞へ渡す働きが妨げられるらしいです。その結果、血流内に糖がとどまってしまい、血糖値が上昇するという状態が引き起こされると説明しています。

つまり、カンジダが大増殖してしまうような血糖値の上昇の原因は、次の二つに分かれると思います。

1. 糖分を過剰に摂取してしまったため、細胞が必要とする糖を渡した後に、まだ血流内に糖が残っている状態。

2. 糖分は過剰に摂取していないのだが、細胞に必要な糖を渡すことができず、血流内に糖がとどまっている状態。

1の場合は、糖分の摂取を控えるというのが正解でしょう。でも、2の場合は、違いますよね。細胞に糖を渡す働きを阻害する「脂肪」の摂取を控えるべきでしょう。2の人の細胞は、燃料となる糖が来ないので元気がなく、だるさとか疲労感を感じるようです。

80/10/10には、カンジダの寿命は非常に短いので、カンジダに悩んでいる人が低脂肪の食生活にすれば、わずか数日でカンジダの問題は完全に消え去ると書かれています。(じゃあ、低脂肪って、どのくらいなのかと思われた方は、過去記事の低脂肪 vs 高脂肪をご参照ください。)

80/10/10はローフードのヴィーガン食(完全生菜食)を理想としているので、加熱食は勧めていません。なので、これは私の個人的な考えなんですが、菜食・非菜食、加熱・非加熱のいずれであれ、カンジダに限らず、何らかの健康上のトラブルを抱えておられる方は、とにかく脂肪分は極力控えたほうがよいと思います。(こう考える理由の詳細については、「油脂について」に書きました。)

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