2011年7月18日月曜日

体が水分を必要とする仕組み

毎日暑い日が続いています。マスコミは熱中症に注意、こまめに水分補給を、とうるさいぐらいに呼びかけています。私たちの体はどうしてそんなに水分が必要なのでしょうか。

"The 80/10/10 Diet"(Dr. Doug Graham 著)によると、脱水状態というのは二面的なものだそうです。

 ●体内に十分な水分がないこと

 ●体内に毒素が過剰にあること

体内の水分というのは、毒素を希釈する(薄める)役割があり、体内の水分と毒素の比率が崩れ、毒素の方に傾くと、細胞の機能が損なわれてしまうようです。

80/10/10には脱水状態に至る道のりは、4通りあると書かれていました。(以下、私訳・要約)

1. 毒素量が増加した場合: 水分の摂取量に比べ、毒素の摂取量が増加した場合である。加熱調理は多くの毒素を作り出すが、中でも最も毒性が高いのは、揚げ物で生成されるアクロレイン、バーベキューなど焦げ目をつける調理の最中に放出される多環芳香族炭化水素である。また、一般家庭に常備されている猛毒としては、塩とアルコールがある。船乗りならだれでも、海水を飲むと、脱水状態になって死に至ることを知っている。アルコールは、利尿薬の役割を果たし、脱水状態を引き起こす。

2. 毒素量に比べて水分摂取量が少ない場合: 加熱調理は食材から水分を奪う(炊飯とか煮豆とか、乾物に水分を加える場合もあるが、これらは例外)。加熱調理は、水分を蒸発させるため、食材内の水分と毒素の比率を変えてしまい、食材内の毒素のレベルが上昇する。つまり、加熱調理は、水分を奪うことに加え、調理過程で大量の毒素を作り出すため、加熱食を食べると、必要とする水分量が増えることになる。

3. 内因性毒素の産生量が増加した場合:体内の細胞の代謝による有毒な老廃物の産生、組織、腺、臓器の代謝による毒素の産生が増えた場合である。こうした体内で産生される毒素は、内因性毒素と呼ばれる。肉体活動またはストレスのレベルが上昇すると、細胞の活動が増え、内因性毒素の産生量も上昇する。運動の前後、運動中に水分を摂れと言われているのは、産生される毒素を希釈するためである。

4. 水分の排出量が多い場合: 水分の補給より水分を失う速度のほうが速い場合、脱水状態になる。高度、暑さ、日光、風、湿気、運動が、水分を失わせる主な要因である。

1日に2リットルの水を飲めとアドバイスする健康法もありますが、あれは、体の毒素を増やす食事を取っているため、体内の毒素を水で薄める必要があることを暗に示唆していると思われます。生の果物や野菜の摂取が少なく、揚げ物、焼き物、味付けの濃い料理、アルコールの摂取などが多くなっている人へのアドバイスでしょう。

80/10/10は脱水状態を引き起こす原因をそのまま放置して、水を飲んで毒素を希釈するより、根本原因を取り除くべきだと言っています。

大した運動や労働をしていないのに、やたらと喉が渇くという方は、食事内容を見直してみると良いかもしれません。調味料などを使わずに、生の果物や野菜をたっぷり摂っているかぎり、そうそう喉は渇かないと思います。

●80/10/10(ナチュラルハイジーン)でいうところの「毒」について
80/10/10は低脂肪の完全生菜食(Low-fat Raw Vegan)という食事法で、加熱料理は有害という立場に立っています。こう書くと、加熱食を食べている人は不快に思われるかもしれません。実際、私も加熱食をまだ多少食べていますので、ナチュラルハイジーン系の本を読んでいると、心中穏やかでいられないこともあります(笑)。でも、食べ物というのは、体にとって異物であり、どんな食べ物であっても、体にとっては負担なのです。ヒーリングフードとかデトックスフードとか命名されている食べ物も決して体に良いものではなく、負担が少ないにすぎないと私は解釈しています。低脂肪のローフードであっても、多少の負担はあるはずです。なので、80/10/10でいう「毒」という言葉は、「体にとって非常に負担の大きいもの」と考えると、多少受け入れやすくなるのではないでしょうか。

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