今"The 80/10/10 Diet"(Dr. Doug Graham 著) というナチュラル・ハイジーンのハードコアというか、かなり徹底した低脂肪型生食の本を読んでいます。私は油脂や塩分で失敗した経験があるので、このグラハム博士が提唱する、調味料などを一切使わない、脂肪分を抑えた、果物中心の(かつ野菜もプラスする)食事法に興味をもちました。
ちなみに、この一見不思議なタイトルの意味は何かというと、炭水化物とたんぱく質と脂肪の比率を表しており、この本では、それぞれ 80%(以上)、10%(以下)、10%(以下)を基本路線とした100%ローフードの食生活が理想とされています。
300ページ以上もある大部で、目を楽しませてくれるようなレシピ写真などは一切なく、延々と英語の文字ばかりが続き、しかも、私の大好きな穀物ベースの加熱食に対して、否定的なことが山ほど書かれているので、正直なところ、読んでいて辛くなるものがあります(笑)。でも、ナッツやオイルを多用する、いわゆるグルメローフードにはまったく食指が動かなかったのですが、この果物を中心とした低脂肪型の食事法には、なぜかとても惹かれるので、私の中の忍耐力を総動員させて、毎日少しずつ読み進んでいます。
まだ読んでいる途中なのですが、気になる記述が色々と出てきたので、このブログでも一部ご紹介します。
とりあえず、今日は「食物繊維」の項(p.92)に書かれていた内容です。長くなるので概要のみです。ご興味がある方は原著に当たってください。(以下、私訳・要約)
多くの健康志向の人が、繊維を摂るべく、全粒の複合糖質を食す食事法を取り入れている。これは方向性としては正しい。食物繊維は消化および健康全般にとって絶対に必要不可欠なものだが、精製穀類の生産過程で全粒穀物から繊維が取り除かれてしまっているからである。
しかし、こうした人々は穀類の繊維が体に良いと誤解している。繊維は大別すると、可溶性繊維と不溶性繊維に分けられる。可溶性繊維は必須栄養素(体内で生産できないため、食べる必要がある)であり、これは主に果物に含まれ、野菜にもある程度ある。可溶性繊維は水分を吸収して、便のかさを増やし、やわらかくする。粘り気のあるゲル状の吸収性媒質として腸内でものを動かす働きをしている。不溶性繊維は主に穀類に含まれている。
(中略)
繊維の働きを正しく理解できていなかった頃、医者は食物繊維を腸にとって「たわし」のようなものであると表現していた。穀類(生の穀類、発芽穀類、加熱調理した穀類)の不溶性繊維は、繊細な消化管にとって非常に強烈なものである。不溶性繊維は水分を吸収しないため、不溶性繊維の末端は鋭利なままである。こうした不溶性繊維は繊細な腸壁を、文字通りごしごしとこすり、腸壁を刺激して、切り裂いていく。ガラスの粉でも食べたかのように。この摩擦に反応して、腸壁を保護している粘膜が厚くなり、繊維から受ける刺激は軽減されるが、体の栄養素を吸収する能力は落ちることになる。
こうした腸(小腸、大腸)への刺激が、ぬかやふすま(bran)が腸の機能を促進させるものとして評価を得ているゆえんである。体は刺激物を感知して、その刺激物を、その時大腸内にあるその他のものとともに、できるだけ早く体外へ出そうとする。しばらくすると、そうした効果を得るには、ぬかやふすまの摂取量を増やさなければならなくなってくる。体が刺激から保護しようとして粘膜を厚くすればするほど、より多くのぬかやふすまが必要になる。これはあらゆる物質(薬物)の乱用に類似した、エンドレスに続くサイクルなのである。
この内容をどう受け止めるか、賛否が分かれるところですが、私は自分の経験から概ね正しいのではないかと思っています。
私は菜食生活の最初の4年間、毎日のように玄米を食べていました。最初はお通じが快調になり、玄米パワーに驚嘆していたのですが、徐々に最初ほどの効果はなくなっていったように思います。また、お腹が重く、顔色も悪くなっていきました(これはよく噛まずに大食いしたせいもあると思いますが)。特に、煎り玄米や生米(発芽させたもの)を食べたときなどは、ひどい腹痛が起きました。
健康産業では、玄米や全粒穀物に対する信頼が厚く、ホールフードを奨励していますが、そうした意見を鵜呑みにするのは危険かなと思いました。精製穀類に問題があることは確かなようですが、精製したものがだめなら全粒と考えるのは、早計なのかもしれません。
80/10/10では、果物と野菜が人間の食べ物であり、穀類は鳥類の食べ物であるとして、穀類の食べ方についてのアドバイスはないので、どうやって食べていったらいいのか、はたまた食べるのを完全にやめたほうがいいのか、私自身まだ決めかねています。
80/10/10は非常に物議を醸しそうな内容が目白押しで、加熱料理ヴィーガン生活6年目で、低脂肪+減塩型菜食という世間一般の基準からすると相当過激な食事法を実践中の私でも、ちょっと引いてしまうところがあります。だから、普通の人が読んだら、一笑に付すか、激怒するか、いずれにしろ否定的なリアクションが返ってきそうな気がします。
ブログで紹介すべきか、ちょっと悩みましたが、上記の内容は、私にとって目新しい情報だったので、記事にしてみました。
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