2012年8月16日木曜日

塩神話に対するナチュハイ的考察

塩の問題ついては、過去記事(「海塩を摂取しても大丈夫なのか」)でも取り上げてきましたが、今日はまた違った角度からの説明をご紹介したいと思います。

先日、RawFoodExplained.com(英語)というサイトを読みました。

以下は、このサイトの塩に関する解説を要約したものです。

塩にまつわる神話

  1. 塩は生命の維持に必要なものである
  2. 塩は食物の風味を良くする
  3. 塩は消化を促進する
  4. 塩は血液に含まれるのだから、生物にとって必要不可欠な成分である

1. 塩は生命の維持に必要なものではない
体はナトリウムや塩素は必要としているが、塩化ナトリウムを代謝することはできない。塩化ナトリウムは、非常に強力かつ安定した分子であり、消化管内や肝臓で分解できるものではない。

塩化ナトリウムとして体に入り、塩化ナトリウムとして体内を循環し、塩化ナトリウムとして体から出ていく。ナトリウムと塩素に分解され、体によって利用される場面はまったくない。

【2012.8.20 追記】
塩化ナトリウムは固体の場合、分子ではなく、イオン化合物なのだそうです。この件について、こちらで補足しました。

2. 塩が食物の風味を良くすることはできない
塩を加えると、食べ物が美味しくなると言われるのはなぜか。

塩は、舌の味蕾(みらい)をヒリヒリさせることで「風味」を出している。舌に炎症を起こし、化学刺激で味蕾を敏感にさせているのである。

例えていうなら、手に火傷を負わせて、指先の感覚を敏感にしているようなものである。皮膚に炎症部位がある場合、その部位が周囲より敏感になっていると感じた経験はないだろうか。塩は味蕾に対し、それと同じことをしているのだ。味蕾は塩によって炎症を起こし、味覚刺激に敏感になる。実際の食物の風味が増しているわけではない。

3. 塩は消化を遅らせる
塩は消化を促進するどころか、消化を遅らせる。塩を摂取すると、

  • 腸間膜による食物の吸収が阻害される
  • 「タンパク尿」と呼ばれる病的状態になる
  • 食物の消化における水分バランスが乱され、消化が遅れる

4. 血流内に存在するものが必須成分とは限らない
腎臓を介して1日に排泄できる塩の量はだいたい200mg。しかし、ほとんどの人はその50倍を摂取している。排泄能力以上に入ってきた余剰分はどこにいくのか。皮下に蓄えられ、発汗により排泄される。また、血流内を絶えず循環し、過労状態の腎臓により処理されるのを待つことになる。

それ故に血流内に塩が存在するのである。血流内には、農薬、薬毒、環境毒素などもあり、血流内に存在するからといって、血液の必須成分とは言えないことが分かるだろう。我々が体に入れてしまった毒を、血流が排泄のために循環させているのである。塩はそうした毒の一つに過ぎない。

ナチュラル・ハイジーンでは、食卓塩であれ、自然塩であれ、抽出された塩化ナトリウムというものは、体にとっては毒と考えているんですよね。

上記解説の4を読んだときは、思わず笑っちゃいました。「塩分は汗や尿で排泄されてしまうので、この失った分を補給しろ」という世間の教えはなんなんでしょうか。体がやっとの思いで排泄した毒を、また新たに体に取り込めってこと? なんともはや、シュールな世界です。

日本には塩を使った保存食を多用する食文化があり、塩の摂取量は世界的に見てもかなり高いです。そのせいか、この国では、「減塩」を訴える人はいても、「無塩」を謳った健康法って聞いたことがないのですが、あるのでしょうか。食卓塩は駄目だけど、自然塩は良いとか、にがりが含まれているものは良くないので、岩塩が良いとか、とにかく「塩は必要不可欠」という考え方が多いように思います。

でも、塩は胃ガンや骨粗鬆症とも関連があると言われており、要注意です。『フィット・フォー・ライフ』の松田麻美子さんの訳者注には次のように書かれています(p.275)。

日本が世界一胃ガンが多い国なのは、塩の摂取量が多いことと深く関係している。熱いもの(お茶や味噌汁)で胃の粘膜を火傷(やけど)させたところへ、細胞の原形質を傷つけ、過激物質(塩)と、加工食品に豊富に含まれている発ガン性食品添加物を毎日一緒に取り込んでいれば、胃壁はボロボロになり、胃ガン多発国になったとしても何ら不思議ではない。

また、塩を取れば取るほど、体からカルシウムが失われ、ますます骨がもろくなることも知っておくべきだ。

周囲を観察していると、なんでもかんでも塩という人が多くて、他人事ながら気がかりです。スイカにまで塩かけてますから…。味噌汁や塩鮭、漬け物あたりだけでも塩分過剰なのに、そのままで美味しい果物にまで塩をかけちゃうというのは、もったいないというか、無謀というか…。上記解説の2にもあるように、長年、塩気のきつい食事をしてきた人の舌は、焼けただれたような状態で、自然の味を感知できないのでしょう。長いことヘッドホンで大音量の音楽を聴いている人が難聴になるのと同じだと思います。

こと塩に関しては、みんな自分の味覚や習慣が正しいと信じ切っているので、口出しできるような状況ではありません。たまに「減塩したら」とは言えても、「無塩にしろ」とはとても言えない…。

なので、ここに書いておきます。

「塩は極力取らないほうがいいですよ」

私もまだまだ完全無塩の状態には至っていませんが、塩を減らすべく、鋭意努力中です。塩の代わりに、ナトリウムが豊富な生のセロリやトマトをたくさん食べましょう!


コメント

こんにちは。

スイカに塩をかけるのはもったいないですよね。
ぼくは果物や野菜はシンプルにムシャムシャと食べるのが一番おいしく感じます。

日本では特に塩の重要性が高いですし、果物をたくさん食べるからカリウムとナトリウムのバランスは大丈夫なのかな?なんておもっていました。
セロリとトマトに豊富に含まれているのですね。

それにぼくは元々が大食いなので塩分は食欲が増すのです(笑)
塩分をとらなくてもいいのは嬉しいです。
トマトが大好きなのでたくさん食べようとおもいます。

投稿: Fruit Monster | 2012年8月18日 (土) 14時27分

★ Fruit Monsterさん
いつもコメントありがとうございます!
やはり何も足さずにそのままで美味しいものが究極の食べ物ですよね。塩がないと食べられないようなものは、本来の食べ物じゃない…。

カリウムとナトリウムのバランス、私も果物を多食すると、どうなんだろう?って思っていました。でも、今では、セロリやトマト、緑の葉物など、野菜をたくさん摂っていれば大丈夫なんだろうと考えています。

そして、大食いと塩分は切っても切れない関係ですよね。私も塩気のある副菜で穀類をドカ食いしていた人なので断言できます(笑)。

投稿: Norah | 2012年8月19日 (日) 08時47分

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