前回の記事「塩神話に対するナチュハイ的考察」について補足します。
● 前回の解説の1番のところ
塩化ナトリウムは、非常に強力かつ安定した分子であり、消化管内や肝臓で分解できるものではない。
「分子」と書いたのですが、塩化ナトリウムは気体の場合しか分子は存在しないそうで、固体の場合はイオン化合物らしいですね。原文にsodium chloride moleculeとあったので、「分子」という言葉を使ったんですが、どうも不適切な表現のように思えてきました。訳がというか、原文が…。
それで、この文全体の信憑性は大丈夫なのか、と心配になったので、「塩化ナトリウムを塩素とナトリウムに分解できない」という件について調べてみました。そうしたら、ナチュラル・ハイジーンとはまったく違う立場ではありますが、こちらのサイトに説明がありました。このサイトは、塩を販売しているサイトで、「減塩は大間違い」として塩の摂取を奨励しており、自社製品販売のためのインフォマーシャルという感じなので、その辺を差し引いて読む必要があると思いますが、イオン化合物(塩化ナトリウム)の結びつきの強さについて、次のように言っています。
そもそもナトリウムが単体で検出されたのは、今からわずか60年ばかり前のこと。というのもナトリウムがほかの物質と大変結びつきやすい性質をもっているため、塩化ナトリウムをはじめ、炭酸ナトリウムやクエン酸ナトリウムなど、単体ではなくほかの物質と化合した「イオン化合物」のかたちでしか自然界には存在しないからです。このイオン化合物には、“高温が加わるとその結びつきが強固になる”という性質があります。高温で処理されると、ちょっとやそっとでは離れないほど、固く結びつくのです。これを専門用語で「閉殻構造」といいます。男女の関係で説明すると、熱く太陽がふりそそぐ南の島で、とてもホットな状態になったふたりには、愛の炎も燃え上がって強く結びついてしまう、といったところでしょうか。だから、高温で処理された塩では、塩素とナトリウムはとても強く結びつきます。熱処理された塩と、熱が加えられていない塩では、塩素とナトリウムの結びつきの強さに違いがあるのです。
(中略)
高温で処理された塩の場合、ナトリウムと塩素の結つきが強力なので、カラダのなかでも塩素はナトリウムとくっついたまま移動する恐れがあります。
つまり、このサイトの言い分は、高温処理の塩は体に悪いが、低温処理の塩(自社製品)は体に良いので、どんどん摂ろうということのようです。ナチュラル・ハイジーンを信奉している私としては、この考え方には大いに疑問で、ナトリウムは生の野菜や果物から摂れば十分であり、調味料で摂ったら過剰になると考えています(前回の記事にあるとおり、抽出された塩化ナトリウムには他にも問題ありますし…)。でも、上記の塩素とナトリウムの結びつきが強くて、体内を塩化ナトリウムのまま移動するという説明は、前回の記事の内容と合致していたので、あえて取り上げてみました。ナチュラル・ハイジーンだけの特殊な見解ではないことの裏付けになるかと思ったので。
また、日本における塩の摂取は、穀物食と密接な関係にあるようです。
こちらのサイトによると、日本で塩の摂取が始まったのは、縄文時代後期(今から2000年以上前)と見る説が有力らしいです。定住と穀物主体の食生活への移行により塩の摂取が必要になったとのこと。穀類って、塩気を足さないと、味気ないというか、まずいですもんね。なので、穀類を主食にするという前提があるかぎり、無塩という発想は出てこないと思います。
こういう国で、「菜食で生食で穀類も食べず塩も摂らない」なんて言うと、まず間違いなく、異常者扱いされます(笑)
ロー率を上げて調味料を摂らなくなると激しいデトックスに襲われるので、やっている本人も不安になるし、周囲も心配して、あれこれ言ってきます。なので、実行する場合は、ある程度、心の準備をしてから臨んだ方が良いと思います。いっきに切り替えると本人も周囲も混乱する恐れがあるなら、少しずつ徐々に徐々に様子を見ながら切り替えるというのも一つの手かもしれません。
コメント
★ すーちーさん
はじめまして!
菜食やローフードを実践されている方からのコメント、とっても嬉しいです。
塩については色々な見解があるので混乱しますよね。私も疑問だらけの中、7年近い菜食生活で人体実験した結果、今のところ、ナチュラル・ハイジーンの考え方がしっくりくるように思っています。
そして、すーちーさんもブログを書いているのですね。私の周囲で菜食や生食を実践している人はいないので、自分以外の人間の実践記録には興味津々です。今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: Norah | 2012年8月23日 (木) 09時57分
こんにちは!はじめまして(^^)
すごく興味のある分野がかぶっていて、ここを知れてとても嬉しいです!
私はまだ菜食1年半、ローフード(6~7割)が半年くらいなのですが、塩の摂取量や種類(にがりがあるとかないとか)に疑問を持っていたので、とても参考になりました。
しばらく更新停止されていたそうで、今後の記事を楽しみにしています!
私も新米ながら生菜食やらその他の健康ブログを書いていますので、よろしかったら仲良くしてくださいませ~~~(^^)
投稿: すーちー | 2012年8月22日 (水) 23時06分