今日は久しぶりに、毎日放送ラジオ『たね蒔(ま)きジャーナル』での小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)の解説コーナー(6月8日水曜日放送分)についてです。記事にするのは久しぶりですが、放送は欠かさず聴いていました。厳密にいうと、私はこの放送を直接聴くことはできないので、nyugankenshinさんという方がYouTubeにアップしてくださった録音を毎回聴いています(nyugankenshinさん、いつもいつも本当にありがとうございます!)。
【今回の話題】
- 東京都大田区の下水処理施設内の空気中から、毎時約2.7マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されていた件について
- 東京江東区の汚泥処理施設付近にあるグラウンドの土から高濃度の放射性物質が検出された件について
今回の話題の背景となっている記事を以下に転載します。
都の下水処理施設で高放射線量…避難区域に匹敵
東京都大田区の下水処理施設内の空気中から、毎時約2・7マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されていたことが、都の調査で分かった。
計画的避難区域の福島県飯舘村の放射線量と同程度で、文部科学省によると、都内でこれほどの放射線量が検出されたのは初めて。放射性物質を含む汚泥の影響とみられるが、都は「検出場所は屋内。敷地の境界では問題なく、誤解を招く恐れがある」とし、調査結果を公表していなかった。
都によると、この施設は都下水道局の「南部スラッジプラント」で、都内2か所の下水処理場で発生した汚泥を集めて焼却し、灰を東京湾に埋め立てるなどしている。都の5月の調査では、この施設の焼却灰から1キロ・グラム当たり1万540ベクレルの放射性セシウムを検出していた。
今月6日、都が放射線量を測定したところ、焼却灰の仮置き場所となっている棟内の空気中で毎時2・693マイクロ・シーベルトを検出した。同じ日の飯舘村での放射線量は2・86マイクロ・シーベルトだった。同施設内の放射線量を1年分に単純換算すると約23・6ミリ・シーベルトとなり、計画的避難区域の対象となる年間積算量の20ミリ・シーベルトを上回る。
都は、施設内の別の場所では毎時0・038マイクロ・シーベルトにとどまっていることなどから、周辺住民らへの健康被害の恐れはないと説明。作業員には手袋やマスクの着用を改めて指示したとしている。
東京・汚泥処理施設近くのグラウンドから、
セシウム23万ベクレル検出
江東区内の父母らでつくる「NO!放射能『江東こども守る会』」は、6月7日、都庁で会見し、江東区の汚泥処理施設「東部スラッジプラント」近くのグラウンドの土から高濃度の放射性セシウムを検出したと、独自調査の結果を発表し、都と区に施設周辺の除染作業や、さらなる調査を求める緊急要望書を提出した。
「江東こども守る会」は、神戸大学大学院 海事科学研究所(放射線物理、放射線計測)山内知也教授に、調査を依頼し、5月21日~25日の3日間、江東区内複数個所において、放射線量計測と土壌調査を実施。その結果、江東区にある汚泥処理施設「東部スラッジプラント」周辺で、高い放射線量を確認。付近のグラウンドでは、1平方メートル当たり23万ベクレルのセシウムを検出した。山内教授は「放射線管理区域からの持ち出しが制限されるレベルのものが、子どもたちが遊ぶグラウンドにある」と早急な現地調査を訴えた。
「江東こども守る会」は、「東部スラッジプラント」の汚泥処理過程において、放射能漏れを起こした可能性が高いとし、原発災害の二次被曝が発生していると指摘した。「江東こども守る会」代表の石川綾子さんは、「子どもたちに天災なのだから、被曝するのを我慢しろと言うのは納得がいかない」と、都と区に早急な対応を求めた。
(OurPlanet-TV: 06/08/2011 - 14:28)
◇ ◇ ◇
小出さんは、40年以上にわたって原発を止めようと活動を続けてこられた方なので、言葉の端々から今回の事故に対する無念さがひしひしと伝わってきました。
こういう事故を招いてしまった日本という国は、その(放射能)汚染から逃れられないと覚悟を決める以外にないと私は思います。
私はこんなことが起きないように原発を止めたかった訳ですけれども、既に事故が起きてしまったので、これからは今までの世界とは違った世界に私たちが生きるしかないと思っていただくしかない。
原発事故の発生以来、放射能に怯える日々が続いていますが、もうここまで来てしまうと、放射能にまみれて生活するしかないのですね…。福島第1から200km以上離れた東京も既にかなり汚染されてしまいました。首都圏の人間が全員安全なところに避難するというのは、物理的にかなり難しいでしょう。また、こちらを見ると、関西にもかなり放射性物質が拡散しているようです。
汚染は着実に広がっており、完全に放射能から逃れることはできそうもありません。小出さんがおっしゃるように、「今までとは違う世界」で生きていく覚悟が必要なのだと思いました。
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