2011年10月14日金曜日

ラジウム/ラドン温泉は危険だった!

昨日、東京都世田谷区の区道で高い放射線量が検出され、大騒ぎになっていましたが、結局、福島第1原発由来ではなく、住宅の床下にあったラジウムの瓶が原因だったと発表されました(詳細はこちら)。住民の通報を受けてから、世田谷区が発表するまで1週間かかりましたが、その後、「福島第1原発の事故とは無関係」と断定するまでのスピードは異常に速かったですね。世田谷区だけでなく、文部科学省までもが早々と乗り出して調査したとか…。何事にもこのぐらいのペースで対処してくれたら、国民生活も安泰な気がしますが、今回は何か急いで事に当たらねばならない事情があったのでしょうかねえ。

この件を受けて、昨日、毎日放送ラジオ『たね蒔(ま)きジャーナル』で小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)が解説されていました。興味深かったので、ご紹介します。聞き手は、千葉猛アナウンサーと藤田悟論説委員(毎日新聞)です。

 

 

 

 

 

 

[01:26]
小出: … 例えば、みなさん、ラジウム温泉だ、ラドン温泉だということを喜んで入る方々がいるわけですね。

千葉: はいはいはい。

小出: で、そういうものをですね、商売にして、ラジウム温泉、ラドン温泉を作るといって、これまでたくさんの商品が市場に出回ってきていました。
大変な被曝源だと思って、私はずっと警鐘を鳴らしてきたのですが…。

千葉: ラジウムが市場に出回っていたわけですか?

小出: そうです。

千葉: はあ。

小出: 今現在もそうでして、例えば、人形峠というウラン鉱山が日本にはあったのですが、そこでは
大量のウランを含んだ放射能のゴミを現地に置き去りにしてきまして、それに困り果てた日本の国が、それを商品として今現在ばらまくということをやっています。

千葉: ええーっ!? じゃ、ラジウムというとすごい放射性物質というイメージがあったんですが、それは一部の人がもっているだけのものではないわけですか?

小出: はい。既にたくさんの商品が出回っていて、それを買われた方がこのたね蒔きジャーナルのリスナーの方にもいると思いますが、家庭に放射性物質が既に入ってしまっているという状況が日本ではあります。今回の場合も、地表で測ったよりも、むしろ高いところで測った方が放射線量の値が高いとかいうことを、昨日聞きましたので、ひょっとすると福島の原発とは関係なくて、既に出回ってしまった放射性物質のせいかもしれないと、昨日の段階で私は疑いました。

千葉: これ、でも、放射性物質の計数計測器の針が振りきれるぐらいのものすごい高線量が出ているという話ですが…。

小出: そうです。そういうものを持ってしまうと、そうなってしまうのです。
残念ながら、これまでみなさんはラジウム温泉、ラドン温泉を喜ぶというような風潮が日本国内にはあったわけだし、それを取り締まる法律もなかったために、既にそういうものが大量に出回ってしまっています。

千葉: で、今もそういう状況のままなわけですね。

小出: そうです。

千葉: はああああ。

う~ん、ラジウム温泉、ラドン温泉って、危険なものだったのですね。知りませんでした。私もこれまで、旅先とか、銭湯や健康ランドの温泉で、鉱泉の説明書きの中に「ラジウム」や「ラドン」という言葉をよく見かけた気がします。被曝していますね、完全に…(汗)。

現在、福島第1から放射性物質が大量に飛散し、東北や首都圏はかなり汚染され、住民の被曝量は昔とは比べものにならないぐらい上がっています。こんな時代にラジウム温泉、ラドン温泉に入るというのはかなり無謀な行為と思われます。

それにしても、処分に困ると、商品としてさばいてしまうというのは、すごいアイデアです。無料で配ったとしても迷惑なものを、有料で押し付けるという大胆さにはまったく恐れ入ります。

ラジウムやラドンに限らず、「体に良い」という謳い文句の商品には用心しなければいけないということですね。効能がないだけならまだしも、怖ろしく有害なものもあるわけですから…。 

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