2016年5月6日金曜日

やせ薬よりローフード

20年近く前(まだ菜食を始める前)、知人と外食していたとき、その人が食事の前に錠剤を飲んでいたので、どこか具合でも悪いのかな?と思っていたら、

食べたことをなかったことにするクスリ

と言ってました。

いわゆる「やせ薬」だと思われます。

トーニャさんの本"Your Right To Be Beautiful"には、やせ薬(肥満治療薬)の危険性についても細かく書かれています。

この本によると、やせ薬は次の4つに大別できるらしい。

  1. 利尿剤系
  2. アンフェタミン系
  3. 脂肪吸収阻害剤系
  4. 薬草系

1. 利尿剤系

水分の体外への排出を早めて、体重を落とそうというもの。

高血圧、心臓病、甲状腺に問題がある人には危険とされているが、実は万人にとって危険なものである。

自前のカリウムを含むセロリなどの天然の利尿剤とは異なり、化学合成された利尿剤にはカリウムが含まれていないため、体内のカリウムが排泄されてカリウムが欠乏状態となり、ナトリウムの細胞内への侵入を促進させてしまう。(この状態については、過去記事「塩とむくみ」参照)

2. アンフェタミン系

シブトラミン(販売名:メリディア (Meridia))などのアンフェタミン類は、中枢神経系に作用し、食欲を減退させる。これらの物質は依存性が高く、中枢神経系および心臓に対する潜在的致死作用がある。

副作用は、口内の乾燥、便秘、発汗、頭痛など。鬱状態、神経過敏および不眠症といった精神的な副作用もしばしば発症する。イタリア保健相は深刻な副作用(心拍数の増加、血圧の上昇、心臓病、脳卒中、発作、精神的損傷など)を憂慮して、2002年3月に市場から直ちに回収すると発表。

3. 脂肪吸収阻害剤系

オルリスタット(販売名:ゼニカル (Xenical))などは、リパーゼ(脂肪を細かい粒子に分解して、腸壁を通過させ、血流に入れるようにする酵素)に作用して、脂肪の吸収を阻害することで減量効果を得ようとするもので、食べ物に含まれる脂肪の3分の1の吸収が阻害される。

便内に未消化の脂肪が含まれているため、突発的に、便意をコントロールできない状態で、脂肪便(または油分の多い排泄物)が体外に排出されてしまうこともある。

また、脂溶性の栄養素(特に、βカロテン、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)の吸収も阻害される。

4. 薬草系

エフェドラ(Ephedra)、エフェドリン(Ephedrine)、麻黄(Ma Huang)など。

中国、インド、中央アジアの砂漠地帯に自生する植物由来の成分で、アンフェタミンに似た性質をもっている。

心臓刺激薬であり、気管支筋を拡張させ、血圧を上げる。心臓発作、脳卒中などが報告されている。

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やせ薬は長期的に服用することはできないものだそうで、短いものだと3か月以内、長くてもせいぜい1年ぐらいらしい。

しかも、製薬会社の実験では、服用を中止すると100%の確率で体重が増加したという結果も出ているとか。

また、実験参加者には、低脂肪の低カロリー食を摂るよう求めていたりしているようなので、実験で痩せたとされている成功例も、薬の効果だけとは言えなさそうです。

つまり、薬で一時的に体重は落とせるかもしれないけれども、理想の体重を維持するためには、遅かれ早かれ生活習慣を改めなければいけないわけです。

それならば、毒薬などに頼らず、はじめから安全なローフード(+断食エネマ)で減量にチャレンジするほうが近道ではないでしょうか。

前記の知人とは付き合いがなくなってしまって、近況は分かりません。今も元気でいてくれることを願うばかりです。

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