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2026年4月3日金曜日

アルコールはただの毒

日本では「酒は百薬の長」といわれ、ほどほどに飲むのは体に良いと思っている人が多いのではないでしょうか。

しかし、これは「牛乳は骨を強くする」とか「肉を食べると長生きする」などと同類のプロパガンダだと思います。(牛乳は骨を脆くするし、肉は寿命を縮めます)

今日は「適量飲酒は安全というのは間違っていた」という動画を紹介したいと思います。

YouTube: 毎日『ほどほど』に飲む人ほど、実はがんに一番近い | 62件の研究が覆した『適量飲酒は安全』という常識

学術的には、アルコールは完全に断った方がよいというのが最新のコンセンサスみたいですね。

日本は飲酒に対して非常に寛容というか、飲酒を奨励している空気がありますが、物価高の昨今、断酒の経済的効果は非常に高いと思います。アルコールを買うお金、アルコールを飲んだことで病気になってかかる医療費などを抑えられますから。また、アルコールを飲まなければ、アルコールを飲むために使う時間、飲んだ後の回復に必要な時間も不要になり、時間の余裕も生まれることでしょう。

でも、何かに依存せずにはいられないというのが人間の性(さが)。

15年前に「情動的摂食」という記事を書きましたが、アルコールに限らず、その他の食べ物、飲み物でも依存症になっている人は多く、依存物質を摂取することで、身体の感覚を麻痺させ、高ぶった感情を鎮めようとしがちです。

体には自然治癒力があるので多少の有害物質は摂取しても対処できますが、有害物質の頻繁な摂取や大量の摂取となると、対処できなくなり、大病につながりかねません。

依存症になってしまうと、なんとしても依存物の有害性を否定し、警告してくる人を疎ましく思い、依存症の仲間が依存を断ち切ろうとすると足を引っ張ったりするようになります。

「○○が飲めない(食べられない)なら、死んだ方がまし!」「○○がない人生なんて、何のために生きているか分からない!」「こんな世の中で長生きしても仕方がない!」などといって感情的になるのも依存症の人たちの特徴です。

屁理屈をこねくり回せば正当化はいくらでもできるし、ネット上を探せば適度なアルコールは身体に良いとする説も見つけることはできるでしょう。

しかし、有害物質を取り込み続けていたら、いつか身体がおかしくなります。

上手くぽっくり突然死すれば、自分も周囲も楽かもしれませんが、大概は長いこと苦痛に耐えねばならず、周囲も巻き込まれて苦しみます。

残念ながら、この世界では、依存症の人たちを食い物にして成り立っているビジネスが幅を利かせているので、依存性、有害性を広めようとすると、よってたかって袋だたきにする傾向があり、それを恐れて自らの保身のために口を閉ざす人たちも多いです。

依存症から抜け出せるか否かは、ある意味、「運」で、たまたま自分に必要な情報を受け取って、それを素直に受け入れられる状態にあるか否かにかかっています。

身体の不調に気づいたとき、世間の常識の嘘に気づいたとき、今まで欲していたものに疑問が湧いた時が「やめどき」だと思います。

(動画の内容については、以下の要約をご覧ください)

◇  ◇  ◇

【動画のスピーカーのプロフィール(Amazonの著者紹介ページから転載)】

石黒 成治(いしぐろ せいじ):消化器外科医、ヘルスコーチ。1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がんセンター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療をおこなうヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTubeなどで知識、情報を分かりやすく発信している。

【動画の内容】

-最新の現代医学の研究では「酒は百薬の長」という常識は完全に否定されている

-『Cancer Epidemiology』誌によると、過去の62件の研究を統合して解析して分かった事実は以下のとおり

- アルコールの摂取量が増えれば増えるほど、がんのリスクが直線的に上昇する

- 今まではJカーブといって、全く飲まない人よりほどほどに飲む人のほうが、がんのリスクが下がる、死亡率が下がる、と考えられてきたが、この疫学研究には罠がある

- この「全く飲まない人」の中には、「体の調子が悪くて飲みたくても飲めない人」も含まれていた

- このような人たちを除外すると、リスクは飲酒量ゼロの状態から上昇していく

- 特に、7種類のがん(食道がん、口腔がん、咽頭がん、肝臓がん、乳がん、大腸がん、胃がん)についてはアルコールとの明確な因果関係が示されている

- たまに深酒をする人より、毎日少しずつ飲む人の方が危ないと言われているのは、体の修復機能に関係している

- アルコールは分解されるときに必ずアセトアルデヒド(毒性をもつ発がん物質)になる

- 通常この物質は肝臓の酵素によって無害な酢酸、酢に分解される

- 毎日ほどほどの飲酒を続けるということは、このアセトアルデヒドを毎日欠かさず全身の細胞に浴びせていることになる

- 最新の分子生物学的知見では、アセトアルデヒドは、細胞を傷つけるだけでなく、DNAを物理的に切断する、DNAに異常な結合を作るということが分かっている

- 細胞には壊れたDNAを修復する機能があるけれども、毎日アルコールを摂取してしまうと、この修復が追いつかなくなる

- この修復のエラーが積み重なってがんに繋がっていくことになる

- さらに、アセトアルデヒドはDNAを修復するための酵素そのものをブロックしてしまう

- つまり、アルコールから出るアセトアルデヒドは、DNAを壊すと同時に、DNAの修復を妨げるという二重の攻撃を仕掛けている

- 性別によってリスクが違うことも分かっている

- 男性の場合は飲酒の頻度がリスクに直結する

- 女性の場合は、いちどに大量に飲むことが乳がんのリスクを跳ね上げる

- 乳がんのリスクが上がるのは、アルコールがエストロゲン(女性ホルモン)の濃度を上昇させるからである

- エストロゲンは乳腺細胞に刺激を与えることによってがんを発生しやすくさせる

- この刺激は適量であっても起こっている

- 口腔がん、咽頭がん、食道がんがアルコール摂取と関係しているのは、お酒を飲むと、口の中、喉、食道がアルコールに高濃度に曝されるためである

- アルコールには油が溶け込む側面もあり、通常では防御できるものが、溶剤に溶け込むことで、発がん物質が組織に浸透しやすくなる

- 喫煙に加えて飲酒をすると、相乗効果でさらにリスクが上がる

- アルコールを取ることで、タバコの有害物質が粘膜に溶け込みやすくなるのではないかと考えられており、単純に1+1=2ではなく、10にも100にもなるというのは、この相乗効果によるものである

- これはタバコに限らず、食品添加物や大気汚染物質などにもいえ、飲酒によってその吸収が促進されることになる

- 肥満、血糖値の異常もアルコールの毒性を強める

- 研究では、BMIの高い人や糖尿病を患っている人は、アルコールによってがんの発生率が有意に高くなることが示されている

- これはおそらく体内の慢性炎症が関係している

- 肥満の人は体内で常に微弱な炎症が引き起こされている

- アルコールを取ると、肝臓や脂肪細胞で炎症が起き、慢性炎症がひどくなる

- 特に肝臓がんにおいては、アルコール性肝疾患が背景にある場合、ワインや蒸留酒なら健康に良いと感じて、アルコールを飲みたいという人がいると思うが、白ワイン、ビールを好む層で特に特定のがんのリスクが上がるという傾向も示されている

- ウイスキー、蒸留酒はその傾向が薄いというデータもないわけではないが、お酒の種類の差は疑われている

- アルコールについては、現時点では、摂取量による、というのがコンセンサスとなっている

- 色々な背景の要因を観察すると、例えば白ワインを飲む場合は、紫外線の曝露が多い地域に住む人が多く、背景が一律ではなく、アルコールの種類でリスクを問うのは建設的ではない

- なので、今では、学術的にはアルコールの量がいちばん大事と言われている

- 所得や教育水準等の社会的・経済的地位によって、同じ飲酒量であっても健康被害の出方が異なる

- 社会経済的に恵まれていない層は、同量のアルコールを摂取してもがんになるリスクが高かったり死亡するリスクが高い

- 背景には栄養状態の差、医療へのアクセスの差がある

- アルコールがどのようなリスクになるかは、その背景の因子によって大きく変わる

- 最近の研究では、アルコールは腸内環境をボロボロにする

- 善玉菌を減らして悪玉菌を増やす、リーキーガットを起こすということも研究で示されている

- リーキーガットで腸に隙間ができると、腸内に留まるべき毒素が血液に流れることで、免疫に影響を与えて、身体の中に慢性の炎症を起こす

- 腸由来の慢性炎症が全身に影響を与えることで、肝臓だけでなく、大腸・乳がん等のリスクにもなる

- 飲酒は体内の免疫を下げる

- 米国がん学会の最新ガイドラインには、「がん予防のためにはお酒はまったく飲まないほうがいい」と明記されている

- お酒を少しずつ飲むということは、脳の報酬系に刺激を与え続け、無意識のうちにお酒を飲みたいという欲求が抑えられなくなり、飲酒量が増加する

- 週に数日お酒を飲まない日を作るということは、DNAの修復期間を確保し、腸内環境を改善させるために重要であり、脳の報酬系が発火しないよう、余計なお酒に対する依存を作らないためにも重要な期間

- アルコールが分解されるときにアセトアルデヒドが出るが、アセトアルデヒドが合成されるときに活性酸素が大量に出て、これが様々な弊害を引き起こす

- 錆びた脂肪(過酸化脂質)が同時に作り出されるが、これによって全身の細胞が錆びる

- 様々な代謝をになう臓器(肝臓、膵臓など)のダメージにもつながり、そこからがんが発生しやすくなる

- アルコールは、葉酸(体にとって重要なビタミンで、正常なDNAを作る重要な栄養素)の吸収と代謝を阻害する

- アルコールの摂取で葉酸が不足することにより、DNAの合成が不安定になって、遺伝子の変異も起きる

- 特に、大腸がんや乳がん等においては、葉酸代謝の阻害が深刻なリスクと認識されている

- 様々なメカニズムの理論的背景がアルコールの摂取を控えるようにメッセージを発している

- 断酒が無理でも、頻度、量を抑え、自身のマインドをコントロールして、アルコールと向き合うようにしてほしい

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